海外のコラムの翻訳・批評やカンボジア在住筆者がアセアン・アジア一体のコラムを執筆

印象に残ったカンボジア人の日本語や語学学習について

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現在のカンボジアの日本語学習事情

かつて日本円が強かった時代は観光で来る日本人客も多いため日本語熱が相当高かったようだ。

残念ながら筆者はその時代を知らないがその手の話をよく聞く。

また実際に30才以上のカンボジア人に日本語が話せる人が集中している。

日本語は残念ながら現在は人気はなく、英語を話せるのが当たり前になってきている中で英語の次に覚える言語として人気があるのは中国語や韓国語である。

 

外国語の習得が収入に直結するため皆非常に熱心であり都市部では中学生くらいでかなり英語が達者な子供が多い。

また日本語を学んでも正直メリットが少ない状況で敢えて学習しているカンボジアの若者は何かしらで日本人や日本文化に強い興味を持っている場合が多い。

 

観光でカンボジアに訪れた際に日本語で話しかけられた場合に注意が必要なケースもある。

簡単な見分け方はビジネスで話しかけているのかプライベートか。

お土産買ってとか遺跡のツアーどうだい?と言うのは今回の内容については問題ない。

いかにも切実な話で相談を持ちかけてくるケースが問題でそういった場合に次の日に待ち合わせたり、招かれてもその人の家には絶対行かないこと。

それはアジア全体で発生している通称ポーカー詐欺である。

タイとかシンガポールからそういった詐欺団が出稼ぎにくるがおそらく見た目で国籍はわからないと思う。

キツい言い方をすると平和ボケしているゆるそうな奴がターゲットに絞り込まれているわけであり、プロのおメガネにかかったその日本人が約束や招待を受け入れた時点でかなりまずいはずだ。

私の耳にもその手の話はよく入るがアプローチされた経験はまだない。

 

自分自身の危機管理の意識をどこまで上げておく必要があるかという意味で記述しておくとこんな例もある。

カンボジアの首都プノンペンの街中でピストルを突き付けられ質屋まで連行される。

質屋で身ぐるみすべて換金させられて開放。

帰国するお金も当然無いので日本大使館に泣きつく。

日本大使館の返答「それってあなたが悪いですよね?」

 

危機管理についてはまた別の機会に詳しく書こうと思う。

 

カンボジア人の日本語学習は大きく分けて3つに分かれる

カンボジアの語学教室で日本語を習得

カンボジアで本などで自己学習

日本に出稼ぎに行き習得

日本在留経験者

 私の周りにも日本に3年~18年ほど住んでいた経験のあるカンボジア人が数名いる。

正直に言うとそれでもかなりカタコトであったり正直何を言ってるかわからない人もいる。

何か言っているが英語ではなくクメール語カンボジア語)でもないから、これ日本語喋っているのかという判断になるレベルの人もいた。

 

おそらく工場や農業研修生という名目で働いていて家と職場の往復のみで職場でも会話をする環境になかったはずである。

低賃金で尚且つ国に持って帰るお金を貯めるためにひたすら倹約しながら想像以上のハードワーク(カンボジアはありえないくらいゆるい)と孤独と差別に耐える生活だ。

日本人の妻までいるものでさえ日本で働いていた時のことは思い出したくもないと言っていた。(特に差別)

 

またある時難解な日本語で話しかけられ断片的に聞き取れる日本語から、どこどこ(地名)とか何年間というワードがなんとか拾えてこちらに伝えたい事を推測したこともある。

たぶん岡山に3年住んでたと言いたいのだろうという風に。

そのカンボジア人の日本での生活を妄想してさぞかし辛かっただろうなと胸が痛くなる。

現地での日本語学習者

日本語を接客の中で習得する人が多い。

仕事の空き時間はその場で日本語の教科書をよく読んでいたりする。

勤務中に役所でも来訪者がいない時はハンモックで寝てたりするお国柄ならではである。

 

日本語のレベルとしては様々だが相当にうまい人も多い。

日本の工場で働くのとは日本語を使う頻度が違う。

 

関西弁で日本語ペラペラの人とかもおり(関東人の私からすると)そういう日本語が達者な人達に日本で生活してたのか聞くと行ったこと自体ないと答えるから驚かされる。

 

こういった日本語が達者なカンボジア人がいるのと日本語で語りかけてくる先述のカード詐欺に対する用心も相まってかなりの確率で私は日本人かどうか疑われる。

慣れっこである。

バーに日本人女性がいると私に周りの白人やカンボジア人が声をかけろとしつこく言ってくるので喋りかける。

そのまま1時間以上会話して「荻窪すんでるの?荻窪の何々ってラーメン屋うまいよね。」のような会話を散々したあとで

「でもあなた日本人じゃないですよね?わかりますよ!」とか普通に言われる...。

困っている日本人を助けて最高週に4回日本人じゃないと思ってましたとのお言葉を頂いたこともある。

 

 印象に残った日本語の使い方

 母国語の言い回しをそのまま使うケース

東南アジアの広いエリアで顔があった時の挨拶として

「ご飯たべた?」

という言い回しを使う。

はじめはよく意味が分からず夜飯代浮かそうって魂胆か?

せっかくのお誘いだしそこまで可愛くないけどまあいっか等妄想して

私「一緒にどこかで食べる?」

と聞き返すと

相手「私は食べたから大丈夫。」

私「(ぐぬぬ...)」

しかもこっちの人は要件がなくても電話してきたりする。

 

英語風な表現やクメール語に妥当な表現がないケース

夜歩いていて空を見上げてかわいい!かわいい!を連呼。

なにがカワイイか聞くと月とのこと。

キレイって言うんだよと教えると、いやカワイイだよとの返答。

カンボジア人に聞くとキレイとカワイイの表現の区別がないという話を聞く。

いやちゃんと該当する言葉はあるというカンボジア人もいる。

不明。

私も女性の容姿を褒める単語は1つしかしらない。

 

会話中に「うははは、甘い!」といきなり言われ何が甘いか尋ねると喋り方が甘いと。

日本語でも通じるが英語的な表現か。

 

また別の機会では「イチコロ感激です!!」

ふむ、よくわからないけど凄く伝わる表現である。

日本の流行り言葉かと思ってググッてしまう有様であった。

 

まとめ

よくあるのだが大人数で複数の国籍の人と話していると3つ4つ位の言語が飛び交う。

そういう時に非ネイティブの人が話し相手の出身国の言語で話しかけられると逆にネイティブが聞き取れないことがよくある。

ちょっと今何語で話したの?となることさえ。

 

日本語の学習者が少ないとはいえ裏道を歩いていたりしても知らない人の家の中からコンニチハ!とかの声はよくかけてもらえる。

これも前もって上手じゃない日本語を聞く意識がないときに、長いフレーズで不意打ちがくると消去法でたぶん日本語だろうが意味がわからんという自体によく陥る。

 

日本人が外国語を習得する上でも物怖じせず間違っていてもどんどん喋ることが重要なのは共通している。

英語に関しても初めは私は発音をかなり気にしていたが非ネイティブの白人も大した発音ではない。

ただ当たり前だが喋り慣れている。

日本語ペラペラなマーティ・フリードマンも日本人が英語をいくらトレーニングしようとも、どのみちカタコトには違いないと言っていたのを聞いたことがある。

確かに英語ペラペラな日本人歌手がアメリカデビューすると必ず訛りが少しあるけど歌は悪くないねみたいな評価をよく目にする。

 

どんなにがんばってもカタコトの根拠としてマーティ・フリードマン曰く

「俺みたらわかるだろ?」

 

とのこと。

納得。

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